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南三陸のふるさとの味「のっぺ汁」を知っていますか?さつまいも、こんにゃく、油揚げなどなど、使い残しの具材で簡単に作れる家庭料理です。今回は、みんなでわいわい台所を囲み、懐かしい味わいを楽しむ昼食会を開催しました。

「のっぺ汁」って何?

入谷公民館に、老若男女25名の参加者が集まりました。まずは、今回のメニューについて説明です。のっぺ汁は、さつまいもの甘さを生かした優しい味わいが特徴です。片栗粉でとろみをつけたお汁は飲むと身体が温まり、冬場やお正月の定番料理として親しまれています。また、精進料理が起源と言われており、お彼岸など仏事で出す料理としてもおなじみです。出身地区によっては、全く聞いたことがないという人や、作り方や具材が違うといった人もいて、みんな興味津津です。また、予定にはありませんでしたが、特別に「ばっけ味噌」もつくることになりました。「ばっけ」とは地域の言葉で「ふきのとう」のこと。今日のためにわざわざ採りにいってくれたそうです。思わぬ春の便りにみんな大喜びです。

のっぺ汁の説明

のっぺ汁の作り方

今回は、9種類の具材を使います。家庭でつくる時は、その時冷蔵庫にあるものでOKですが、仏事で用いる際は、材料を奇数にする習わしだそうです。
切り方も様々なパターンがありますが、これも仏事で出す手順にならい、今回は全てさいの目に刻みます。
材料を順番に煮込んでいき、味付けの直前に豆麩を入れます。
最後に、水溶き片栗粉でとろみをつけて完成です。

材料を切る

材料を煮込む

さいの目に刻まれた具材

 片栗粉でとろみをつける

のっぺ汁

ばっけ味噌の作り方

ばっけは下茹でした後、刻んでおきます。
味噌は、先にオリーブオイルを熱したフライパンで炒めておきます。
そこに、刻んだばっけ、くるみ、砂糖を入れて弱火で炒めると完成です。
郷土料理は各家庭の口伝がほとんどなので、こうして人に教えてもらう機会はほとんど無いそう。
講師の首藤和子さんの手つきにみんなが注目します。

ばっけ(ふきのとう)
下茹でしたばっけを刻む
材料を軽く炒める
ばっけ味噌

 いざ、実食!地域の食の豊かさに感謝

あっという間にのっぺ汁とばっけ味噌が完成しました。
参加者の方からの持ち込みによる、ほうれん草のおひたし、めかぶ入り刺し身こんにゃく、色とりどりのお漬物もテーブルに並びました。
参加者の旦那さんやお孫さんも加わり、さながら大家族の食卓のようです。
あったかくて優しいお味ののっぺ汁を味わいながら、自然とおしゃべりにも花が咲きます。
「やっぱり、家庭の味はほっとするね」と、言いながら、地域の食の豊かさを再確認する会となりました。

いざ実食

のっぺ汁できたて

 

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