たけのこを掘り、山菜を採り、みんなで持ち寄った「春の一品」を食べる。
たけのこ掘りと山菜採りを5月10日、新緑の美しい晴天の日に行いました。今年度第一回目の「地域を学ぶ勉強会」は、たけのこ掘りに出かけました。
講師を務めるのは、近隣にお住まいのたけのこ掘り名人 首藤孝樹さんです。
参加者は20代から70代までの8名。とうぐわ(この地域では「とんぐぁ」と言う)を携え、グランマの森の隣の竹やぶ(首藤さんの所有地)に向かいます。
竹やぶに入ると、「あった!」「ここにも!」みんな一様に宝探しモードになり、夢中になって竹やぶを歩きまわりました。
たけのこを見つけると、身を傷つけないように周りの土をよけ、根本が見えてきたら思い切ってくわを振ります。
たけのこ掘りが初めてという方も上手に掘れていました。
中には、「たけのこタワー」と呼びたくなるくらいの大物も!
「雨後のたけのこ」と言われるように、次々生えてきては、あっという間に伸びて、他の植物を駆逐してしまうのが竹。
竹林の所有者にとってみれば、この季節のたけのこ掘りは、林業者にとっての間伐と同様、欠かせないお仕事の一つなのです。
首藤さんのたけやぶは、黄緑色の光とさわやかな風が入り込んで、いるだけで癒されるような場所でした。
1時間もすると、みんな抱えきれないほどのたけのこをゲットすることができました。
今年は雨が少ないのであまり出ていないと聞いていましたが、それでも大小合わせて30本ほど採れました。
グランマの森のツリーハウスで記念撮影とコーヒーブレイク。
地元の方と一緒に歩くと、グランマの森は食べれる植物の宝庫であることがわかります。
トゲトゲのついた樹は、山菜の王様「タラノメ」。こしあぶらや山椒も教えてもらいました。
山頂の草地はわらびが群生していて、ここでも宝探しが始まりました。
「春になると、山に山菜採りにいくのさ。スーパーに行かなくても、山に行けばおかずが手に入る。土手に生えてる草だっておいしいのがあるんだよ。」
東北の長い冬のあとにやっと訪れる、春。
その春を待ちわびて山に行って、ようやく見つけた宝物。なおかつそれを食す楽しみ。
地元の方の言葉には、季節の恵みを直にいただくことができる喜びが感じられました。
簡単にできるたけのこのアク抜きの方法
たけのこ掘りを終えていりやどに戻ってくると、今度はアク抜きの方法を教えていただきました。
まずはたけのこの皮を根本のほうからむいていきます。
先のほうは、包丁の角で縦に切れ目を入れるとぱっくりはがれます。
根本を切り、ぶつぶつしたところは包丁でそぎ落とします。
調度良い大きさに切り、水を張ったお鍋に入れます。
ここがポイント。ひとつかみの生米をふり入れます。
そして火にかけ、煮ます。表面が乾燥しないように、上からアルミホイルをかぶせておきます。
やわらかくなったら、お湯を捨て、水にさらします。
これでアク抜き完了です。
みんなの「春の一品」持ち寄り昼食会
第2部は、参加者の方がそれぞれ持ち寄った「春の一品」で昼食会を行いました。集まったメニューは下記の15品。
もちろん、今とってきたばかりのたけのことタラノメも並びました。
- ごぼうのピリ辛煮
- せりのおひたし
- みつばのおひたし
- つんぶ(つぶ貝)
- ひよこ豆の煮付け
- たけのこご飯(2種)
- たけのこのピリ辛いため
- しどけのおひたし
- わらびのおひたし(2種:しょうが、おかか)
- ふきと山菜の煮物
- はっと汁
- 採れたてたけのこ
- 採れたてタラノメのおひたし
春のおかずはどれもすごく健康的。食べれば食べるほど元気になっていくような気がします。
「春の食べ物の苦味は、冬に溜め込んだ毒素を体の外に出す役割があるんだって」
なるほど。だから、苦くても無性に食べたくなるのかもしれないですね。
春の恵みを存分に味わい、里山の豊かさを実感した一日となりました。
「地域を学ぶ勉強会」とは・・・
2013年から不定期で行っている勉強会です。
地域住民が集まり、「食と農」をテーマに、次の世代に残していきたい文化、習慣、風景、物語などを収集・ストックしています。
共催:一般社団法人南三陸研修センター、入谷公民館、日本自然保護協会
協力:南三陸町観光協会