人を惹きつける、ホタルの魅力
2015年6月22日に、「地域を学ぶ勉強会」のシリーズとして、「ホタルを探そう!夜のお散歩会」を開催しました。大人から子どもまで、44名の参加者に集まっていただきました。「ホタル」というワードはここまで人を惹きつけるのか・・・と主催者もびっくり。
まずは、講師の鈴木卓也さんに、ホタルについて教えていただきます。
3種類のホタルが見える場所、入谷地区
南三陸町では、3種類のホタルが観測されます。一番大きくて、小川のそばに見られるのが「ゲンジボタル」です。南三陸町では、6月下旬から、7月7日の七夕頃まで良く見られます。よく見ると、背中の赤い部分の中心に、ハート型の黒い模様があるのがわかります。緑色に近い光を発します。
田んぼの周りでよく飛んでいるのが、「ヘイケボタル」です。ゲンジボタルと入れ替わりで、7月7日ごろから、お盆ごろまで見られます。赤い部分が左右に分かれて、仮面ライダーのような模様が特徴です。ゲンジボタルより体も光も小さく、黄色に近い光を放ちます。

ゲンジボタル

ヘイケボタル
前の2つよりは少しめずらしいのが、「ヒメボタル」です。このホタルは森の中に生息します。ゲンジボタルの同じく、6月下旬から7月7日あたりに見られます。5~7ミリほどの小さなホタルで、ストロボのような短く強い光を放ちます。

ヒメボタル
夜の生きもの
その他にも、夜に出会える生きものについて教えていただきました。音のなる図鑑を使って、この声は誰かな?クイズです。
「アマガエル!」
「シュレーゲル!」
「トウキョウダルマガエル!」
小さなカエル博士から元気な声があがって、大人のほうがびっくり。他にも、ふくろうやヨタカなどの鳴き声も教えていただき、姿が見えなくても、音でも生きものの観察ができることがわかりました。
わくわくしてきたら、いざスタートです!
いざ、夜の探検へ出発!
今日は夏至。一年で一番日の長い日なので、19時半に外に出ても、辺りはうっすら明るいです。ホタルが出てくるのは日が完全に落ちてからなので、まずは野鳥を探しに、入谷八幡神社に向かいます。懐中電灯やランタンを手に持って、ぞろぞろあぜ道を歩きます。夜になってみんなで歩くって、なんだか特別な感じ。子どもたちも興奮ぎみです。
あまりに大勢の人が歩いてきたので、野鳥もびっくりしてしまったのでしょうか。お目当ての鳥には出会えませんでした。八幡さまにお参りをしてから、中の町方面に歩いていきます。
感動!田んぼの中を飛ぶホタル
神社から降りてくるとすぐに、「あ!見つけた!」と声が上がりました。
田んぼの上を飛び回る強い光は、ゲンジボタルです。田んぼの中のあぜ道を進んでいくと、あっちでもこっちでも、ホタルが飛んでいます。みんなしばし足を止めて、夢中でホタルを見つめています。器用に手でキャッチする人もいました。
交通整理に使う赤い点滅棒を持っている人が、「こうやって光るものを持ってると、ホタルが寄ってくるのさ。車のハザードランプでもいいんだよ」と教えてくれました。
帰り道は、カエルやイモリを捕まえながら歩きました。捕まえてジップロックに入れておけば、カエルたちを弱らせることもないし、お腹のうらや吸盤も見ることができます。もちろん、観察したあとは田んぼに帰してあげました。
たくさんの生きものに出会えて、大人も子どもも大満足の勉強会となりました。